ママにやさしいサロン経営

MAMABI MAG 美容業界について
ママにやさしいサロン経営 参加レポート

【取材・執筆協力】楽天株式会社ビューティ事業部・東京都美容生活衛生同業組合

11月27日(火)開催の楽天株式会社主催の「ママにやさしいサロン経営」について、「美容師とママ」をテーマにした2つの講演のうち、美容師の働き方に特化した内容だった「女性&ママさんの美容師としての働き方」について、講演内容を簡単に紹介いたします。

ママにやさしいサロン経営

女性&ママさんの美容師としての働き方

自身も5人の子どもを育てる「ママさん」

講演者はRIN Beauty 株式会社の塩見氏。 塩見氏は、通信制の美容学校を卒業後、某有名サロンに入社。21歳で念願のスタイリストになったものの、雇用環境を原因に23歳で退職。その後、2004年に、現在の夫とリラクゼーションサロン和み庵を開業。その後、33歳で業界に復帰し、5人の子どもを育てながら、RIN Beauty 株式会社の代表として、また、ママ美容師として活躍しています。

大切なのは「働き続けること」

講演の中で塩見氏は、現在の美容業界の抱える問題として、低価格店舗の台頭や、雇用関係にあるにもかかわらず委託契約とする美容室、現場が弱者であること等を挙げました。こういった美容業界の雇用を取り巻く環境は早期退職に繋がってしまいます。女性美容師の働き方について、特に重要なのはとにかく働き続けることだといいます。働き続ける中で、様々な人と接し、学び、自分自身が成長したいと思うことが大切なことなのです。

9店舗80名の社員、全員が女性。女性が働きやすい「女性応援企業」

塩見氏が代表を務めるRIN Beauty株式会社は、女性比率が100%の女性応援企業で、2018年現在では9店舗80名の社員を抱えています。その中には当然、ママ美容師もいます。ママ美容師を雇う上で重要な事の一つは、スタッフ全員が協力し、負担をかけないようにしてあげることだそうです。例えば、子供が風邪を引いてしまい、お店を休むことになった美容師は、あえて一週間休みにしてあげるなどして、子供の熱がぶり返してもストレスにならないようにしているとのこと。企業風土として、仕事と育児の両立が出来るような環境を整える配慮と、従業人に、配慮してもらっていることが当たり前だと思わせないことのバランスを大切にしているとのこと。
女性100%のサロンであることを最大限活かしたサロン運営が、RIN Beauty株式会社の強みです。来店客からの女性美容師のニーズは非常に高く、女性に担当してほしいと思う人は男性美容師の希望者の4倍とも言われており、美容の現場では女性の美容師が足りていない現状があります。女性特有の出産等のイベントがあるにしても、ニーズの面や、本人が一生懸命やってさえいればデメリットは減って女性は長く働くことが可能で、そのためのサロンづくりが必要だといいます。例えば、女性同士の仲が悪かった場合、系列店に移動等で対応しますが、移動しても悪くならない雰囲気をつくるところまで考えているそうです。当然、女性ばかりの店舗なので、クレーム等が来ることもありますが、顧問弁護士が対応し、スタッフに余計な不安をかけないようにしているとのこと。また、従業員には仕事だけ、家庭だけに偏ったサロンではなく、様々な事にチャレンジして、女性としての人生を楽しんでもらいたいと思っているとのことです。

仕事とプライベートを「充実」

採用については、新卒はHPでのみ募集をかけており年に5名、中途は月に10人受けてきて1人を採用しているとのこと。採用基準はスタイリスト歴2年以上で、ブランドの価値を下げないことだそうです。労働条件は、スタイリストランクが上がると休日が増えると同時に、指名バック率が増える仕組みを整えており、他の手当てでは販売手当があります。賃金についても最低賃金を大きく上回るように設定されており、仕事とプライベートが充実できるように考えられています。

会社の利益よりも、「スタッフの環境」

人気サロンを多数運営する人気サロンになるためには、ランキングに乗るための運営ではなく、お客様とスタッフに還元できるような運営でないとならないとのこと。
当然、環境整備のためには初期費用が掛かります。RIN Beauty 株式会社も、最初は人件費の負担が大きく、かなりの赤字でスタートし、リラクゼーションサロンの利益で赤字を補填していたそうです。それでも、将来のために、最初は会社の利益よりも、スタッフの環境を優先するべきだと語って、塩見氏は講演を締めくくりました。

最後に

RIN Beauty 株式会社の取り組みは、とても進んでおり、サロンが目指すべき雇用環境の理想形ともいえるものでした。サロンで働く美容師も同様に笑顔でいられるような環境作りの方法の提案や、サロンの紹介を東京の美容組合として、今後も行ってまいります。