訪問美容

MAMABI MAG 美容業界について
訪問美容

【取材・執筆協力】東京都美容生活衛生同業組合

訪問美容ってなに?

自力で、サロンに来ることが難しい。
だけど、カッコよく、美しくいたい。
そんな当たり前の希望を叶えるための美容です。

訪問美容は、高齢や疾病等が原因で、サロンまで来ることが難しい方のために、美容師が自宅や介護施設を訪問して美容の施術を行うことです。

進む高齢化

高齢化の現状(総務省「人口推計」平成29年10月1日(確定値)より)

高齢化の現状

(注)「性比」は、女性人口100人に対する男性人口です。

日本は現在、世界の中で最も高齢化が進んでおり、また、最も急速に高齢化している国です。 上の表を見ると、平成29年10月の65歳以上が人口に占める割合は27.7%で、4人に1人が65歳以上であることがわかります。内閣府の平成30年版高齢社会白書によれば、2036年には総人口に対する65歳以上の高齢者の割合が33.3%に達すると予想されています。つまり、日本人の3人に1人が高齢者になる時代がすぐそこまで迫っているのです。
高齢化に伴い、要介護者数も増加しています。要介護度別認定者数の推移を見ると、要介護者は右肩上がりで増加しており、2015年には、2000年の介護保険制度創設から初めて、要介護者と要支援者を合わせた数が600万人を超えました。
要介護者数の増加は、同時に、自力でサロンに行くことが出来ない方の増加を意味し、訪問美容の需要が高まっていることがよくわかります。


要介護度別認定者数の推移(厚生労働省 介護保険事業状況報告(暫定)より)

要介護度別認定者数の推移

(注1)平成18年4月より介護保険法の改正に伴い、要介護度の区分が変更されています。
(注2)平成24年4月末の数には、陸前高田市、大槌町、女川町、桑折町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町は含まれていません。
(注3)平成25年4月末の数には楢葉町、富岡町、大熊町は含まれていません。

訪問美容の歴史

訪問美容の歴史

訪問美容はその多くが1990年代にはじまったとされています。当初は在宅や高齢者施設の高齢者を対象として、個人や美容組合、グループのボランティアとしてスタートしました。この美容業による社会貢献事業は、行政において福祉サービスの一環として、訪問美容券の発行など、高齢者福祉サービスの一つに位置付けられるケースも多く見られ、現在では、「介護予防・日常生活支援総合事業」(2015年)の中に訪問美容サービスを取り入れる市町村が多くなりました。
厚生労働省は、「在宅の高齢者に関する理容・美容サービスの積極的な活用について」という医薬・生活衛生局 生活衛生課長通知(平成29年3月)を発し市町村への周知を行い、健やかな高齢社会、地域住民が支え合う地域共存社会の推進に向けて理容・美容業の積極的な参加と活用を促しました。
訪問美容の需要の高まりを受けて、政府の「規制改革実施計画(平成27年6月30日閣議決定)」において、「疾病その他の理由により、理容所、美容所に来ることの出来ない者」の対象拡大の検討が計画されました。そして、平成28年4月出張理美容を行うことができる場合の、対象範囲の拡大と基準の明確化が図られています。

訪問美容に対する価値観の変化

訪問美容に対する価値観の変化

昨今、訪問美容に関する美容師の関心は急速に高まっています。高齢化社会による市場の拡大と、規制緩和による対象者の拡大が理由と考えられます。訪問美容は、かつてボランティアとして行われ、また、施設と契約している専門業者による施設カットといった、お客様本人の希望や意思よりも衛生や介護者の効率を優先したカットが行われていましたが、現在は若い頃におしゃれを楽しみ、介護が必要となった現在でも同様に美しくありたいと希望する高齢者が増加しつつあります。
例えば、今、当たり前のようにサロンに通っている40代の方の多くは、「カッコよくありたい、美しくありたい」と思い、サロンに赴き、美容師にスタイリングをお願いしているはずです。それが、もし、30年後にサロンに通うことが出来なくなった場合、その気持ちがなくなるでしょうか。おそらく、なくなりはしないはずです。高齢の方でも、そういった気持ちを持つのは当然のことで、そして、「カッコよく。美しく」なる権利も当然あります。
お客様の価値観の変化に伴って、訪問美容の対価についても、ボランティアではなく適正な料金を得て継続性のある事業として実施するソーシャルビジネスの考え方が中心になりました。これに伴い訪問美容に対する心得もおのずと変化しています。

訪問美容をする際の心構え

訪問美容をする際の心構え

訪問美容をする際に心がけることは、サロンワークの際に健常な顧客に対して日常的に行っていることと基本的には変わりません。お年寄りだから、身体が不自由な方だからと特別扱いをしてしまいがちですが、そのことを恥ずかしく思ったり、負担に感じる方もいらっしゃいます。自立した人間としての人格を尊重することが大切で、相手がどのような状況であれ、お客様と美容師という関係は変わらないことを理解し、「どのようにしたいか」といった本人の意向を受け止めることが必要です。

ママ美容師は訪問美容に向いている!

訪問美容はお客様の家や介護施設を訪問するという性質上、サロンワークよりも気配りが必要です。ママ美容師の方は、美容師の経験とプラスして、子育てや家事の経験があることから、気の配り方が上手く、訪問美容への適性が高い方が多くいらっしゃいます。
また、ママ美容師側としても、サロンにいる時間が短くて済むため、サロン内の人間関係で苦労しない、パートでも働きやすいなど、訪問美容はママとしての経験を活かせる上に、ママ美容師にとって働きやすい分野です。

ママ美ジョブネットと訪問美容

ママ美ジョブネットの求人の中には、訪問美容を行っているサロンも多くあります。ママ美容師向けにパートで働くことの出来る求人も掲載していく予定です。訪問美容に興味をもたれたら、ぜひ一度ママ美ジョブネットの求人をご確認ください。